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パチンコの初当たり発生頻度の計算

 パチンコの立ち回り管理カテゴリーの前回のブログ記事では、平均連チャン数の計算方法を説明しました(前回のブログ記事「パチンコの平均連チャン数の計算」はこちら)。今回はパチンコの初当たりの発生頻度を計算します。

 パチンコの初当たりの発生頻度は典型的な二項分布の計算になります。二項分布は、当たりを引く確率Pのくじをn回引いたとき、X回当たりを引く確率の分布を表します。例えば、さいころで1の目を当たりとしたとき、さいころを3回振ったら当たりが出る回数は0、1、2、3回のどれかになるわけですが、各当たり回数がどれだけの確率で発生するかを計算して表したものが二項分布になります。

 各当たり回数が発生する確率を計算するのに用いるのが二項分布関数です。この式は以下のように表されます。

 式中の!マークは階乗を表します。例えば3!は3×2×1、5!は5×4×3×2×1を表します。また、0!は例外的に1と定義されます。この式のP(X)はパチンコの場合について説明すると、大当たり確率Pの台をn回転回した時(確変中と時短中は除きます)にX回大当たりを引く確率を表します。実際のパチンコ台について計算してみましょう。前回までの記事で紹介したパチンコCR大海物語M56の場合で計算します。Pは0.002706(1/369.5)です。nは丸1日打って回せるおおよその回転数2500回転とします。計算結果は以下のグラフの通りです。

 ピークを持つ山なりの分布が得られます。この分布のピークとなるX=6〜7回辺りが大海物語M56を丸一日打った時の平均の初当たり回数になります。このグラフの発生確率に100を掛けると%になりますので、平均的な初当たり回数である6回と7回を合わせると、約30%のくらいの人は平均的な回数の初当たりを引けることになります。グラフを見ると初当たり回数Xが結構広い範囲に分布しているのがわかります。X=0、すなわち丸1日打って1回も当たらない確率も、わずかですがあります。またXが15回以上のケースも確率は低いですがあります。このグラフからわかることは、同じ大当たり確率のパチンコ台を打ったとしても、打つ人によって引ける初当たり回数にばらつきが出ると言うことです。

 では、具体的な数値として、ばらつきをどのように計算するか説明します。このグラフのような、発生頻度の分布を見る時は平均値と標準偏差をセットで計算して、分布状態を確認します。まず、初当たり回数の平均値ですが二項分布では以下の式で計算します。

 式の左辺にはXの上に―が引かれた文字が書かれていますが、これはエックスバーと読み、Xの平均を意味します。式を見てわかるように、平均初当たり回数は、自分がプレイする総回転数(確変中と時短中は除く)に大当たり確率を掛ければ簡単に求めることができます。この平均初当たり回数に、前回の記事で説明した平均連チャン数を掛ければトータルの期待大当たり回数が求まります。さて、上の式の右辺に上述のn=2500、P=0.002706を代入すると平均値は6.8回となります。この値は上のグラフでピークになるXの回数と一致します。次に標準偏差ですが、これは以下の式で表されます。

 式の左辺はσはシグマと読み、標準偏差を表します。標準偏差は初当たり回数Xのばらつきを表す数値です。Xが平均値±標準偏差の範囲に約68%、平均値±2×標準偏差の範囲に約95%の確率で分布することが知られています。式の右辺にn=2500、P=0.002706を代入すると、標準偏差は2.6回になります。ですから大海物語M56を丸1日打った場合、初当たり回数が6.8±2.6回(だいたい4〜9回)になる確率は約68%、6.8±5.2回(だいたい2〜12回)になる確率は約95%となります。上のグラフを見ると初当たり回数Xは2〜12回の範囲に大部分が分布しているのがわかると思います。

 さて、ここまで説明してきたように初当たり回数は平均値を中心として広い範囲に分布します。このことは初当たり間の回転数のはまりが、打つ度に深かったり浅かったりすることを示しています。では初当たりまでのはまりがどの程度になるのか計算してみたいと思います。初当たり確率Pの台でk回転以内に初当たりが引ける確率Piは以下の式で表されます。

初当たりまでの平均はまり回転数は1/P回転で、丁度初当たり確率の逆数になります。大海物語M56の場合は370回転になります。では、大海物語M56についてはまりの確率分布を計算した結果を以下のグラフに示します。

打ち始めて100回転以内に初当たりが引ける確率は約24%です。これは以前の連チャン継続率を説明した記事の大海物語M56の時短中引き戻し率と同じ値です。平均はまり回転数の370回転以内に初当たりが引ける確率は約63%になります。大海物語に限らずどの機種でも、平均はまり回転数以内に初当たりが引ける確率は大体63〜64%になりますので、初当たりの2/3弱は平均はまり回転数以内に引けると憶えておいてください。また、この確率から初当たりの約1/3は平均はまり回転数以上はまってから引くことになります。ですから結構な頻度で大きなはまりを食らってしまうと言えます。例えばグラフで1000回転以内に初当たりが引ける確率は約93%ですから、1000回転を超えるはまりを食らう確率は約7%になります。大海物語M56を毎日打っていれば2日に1回くらいの頻度で1000回転以上のはまりを体験することになります。このように初当たりまでのはまりは、浅い回転数から深い回転数まで打つ度にいろいろな回転数になり得ます。このことが初当たりの発生頻度のばらつきに対応していることを知っておいてください。

 ちなみに、はまりの確率分布のグラフを見て、はまり台を打つと当たり易いと勘違いする方が良くいます。グラフの横軸の回転数はあくまでも自分が打ち始めてからの回転数で、自分が打つ前の人が回した回転数は一切考慮しません。パチンコの大当たり抽選は毎回独立抽選ですから、過去のその台の状況は現在の大当たり抽選に一切影響せず、常に一定の確率で大当たり抽選をします。したがって、時短後即止めの台を打とうが、1000はまりで捨てている台を打とうが、打ち始めてから当たるまでの平均回転数や、大はまりする確率は一緒です。ですから、台選びをする時にデータ表示器に表示された大当たり回数や回転数を気にしても無意味であることを憶えておいてください。

 以上、パチンコの初当たりの発生頻度について説明しました。今回はちょっと話しが難しかったかもしれませんが、イメージは掴んでもらえたと思います。最後に要点だけまとめると、総回転数と台の大当たり確率から、平均初当たり回数と標準偏差を計算し、二項分布のグラフの形をイメージしてもらえれば、自分が打つ台の初当たりの発生頻度が掴めます。

 今日はここまで。次回はパチンコの収支計算に必要なパラメーターの1つである回転率について説明します。





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